龍とわたしと裏庭で④【クリスマス編】
いつものように圭吾さんの部屋に行ったけれど、どうしても圭吾さんの怪我が気になる。
「ねえ、腕痛い?」
わたしは心配になって言った。
「まだ麻酔が効いてるから平気だよ」
「でも、別々に寝た方がよくない?」
圭吾さんの表情が曇った。
「一緒じゃないと眠れない」
「ホントに? いつもそう言うけど、わたしが来る前はどうしてたの?」
「いつでも睡眠不足さ。家を継いでから、ろくに眠れた試しがない」
寝不足じゃ、いつも『不機嫌』って言われても仕方がないわね。
「志鶴が右側に寝れば大丈夫だよ。元々たいした怪我じゃないし」
圭吾さんは有無を言わさずわたしをベッドに入れて、明かりを消した。
わたしは少しためらったけど、優しく『おいで』と言われて、圭吾さんの腕の中に納まった。
「お仕事は上手くいったの?」
「ああ。少しばかりやりすぎたけど」
「やりすぎた?」
「あの研究所が、遺伝子操作で自然界では有り得ない生命を造り出しているとしたら、羽竜の土地でそれをやっているとしたら、僕らはそれを看過できない――それが僕と司が最初に出した結論だ。侵入して確かめて、それに関するデーターと書類を消すだけのつもりだったんだ」
「ねえ、腕痛い?」
わたしは心配になって言った。
「まだ麻酔が効いてるから平気だよ」
「でも、別々に寝た方がよくない?」
圭吾さんの表情が曇った。
「一緒じゃないと眠れない」
「ホントに? いつもそう言うけど、わたしが来る前はどうしてたの?」
「いつでも睡眠不足さ。家を継いでから、ろくに眠れた試しがない」
寝不足じゃ、いつも『不機嫌』って言われても仕方がないわね。
「志鶴が右側に寝れば大丈夫だよ。元々たいした怪我じゃないし」
圭吾さんは有無を言わさずわたしをベッドに入れて、明かりを消した。
わたしは少しためらったけど、優しく『おいで』と言われて、圭吾さんの腕の中に納まった。
「お仕事は上手くいったの?」
「ああ。少しばかりやりすぎたけど」
「やりすぎた?」
「あの研究所が、遺伝子操作で自然界では有り得ない生命を造り出しているとしたら、羽竜の土地でそれをやっているとしたら、僕らはそれを看過できない――それが僕と司が最初に出した結論だ。侵入して確かめて、それに関するデーターと書類を消すだけのつもりだったんだ」