龍とわたしと裏庭で④【クリスマス編】
自分の部屋で制服を着替えてから、三階にある圭吾さんの部屋へ行った。

部屋って言っても、フロア全部を使っているからマンションみたいだけど。


階段を駆け上がっていつものようにドアを開けて――

部屋の中はしんとしていた。

誰もいないんだから当たり前よね。

圭吾さんの部屋に足を踏み入れて、ぐるっと辺りを見回した。


いつもと変わらない。


わたしはリモコンを手に、テレビの前のソファーに足を上げて座った。

昨日録画した番組を見ようと思ってたのに、何だかそんな気分になれない。


「圭吾さん、まだかなぁ」


クッションを抱えて、拗ねたような気分を持て余す。


何やってるんだろう、わたし

いつも一人で見てるじゃない


わたしってこんなに寂しがり屋だったっけ?

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