龍とわたしと裏庭で④【クリスマス編】

翌朝早く、目が覚めた時、わたしは一人だった。


圭吾さん?


寝室のドアを開けて左右を確かめると、居間の方から圭吾さんの声がした。

わたしは裸足でペタペタと歩いて、居間の入口から部屋を覗き込んだ。

圭吾さんはジーンズとTシャツ姿で、窓の外を見ながら電話で話していた。


左腕に包帯

まだ痛むのかな


「やりすぎたのは分かっているよ――もう非番に入るんだろ? 朝飯を食いに来いよ。志鶴の姿くらい拝ませてやる」


どうやら要さんと話しているらしい。


「常盤は別の奴に預けてしまえ。今日は出かけるんだ。病院から来いと言われてるし、その後は志鶴とデートだ」


圭吾さんが振り向いた。


「残りは後で。お姫様のお目覚めだ――うん、それは一緒に寝ているからさ。切るぞ」


圭吾さんは電話を切ると、『おはよう』と笑顔で言った。


「わたしがどこで寝ているか、いちいち吹聴する必要あるの?」

わたしは口を尖らせた。

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