龍とわたしと裏庭で④【クリスマス編】
4
完璧な一日
もしもそんな日があるなら、今日はそれ。
空はすっきりと晴れ渡っていて、この季節にしては、気温が高い穏やかな日だ。
お昼直前に病院に着いて、圭吾さんは傷口の診察と消毒をしてもらった。
お医者様に問題なしのお墨付きを貰った後、わたしを乗せた車は高速道路を通り、県庁のある大きな街に着いた。
ここまで家から離れると、街はクリスマス一色で飾られていて、お伽の国のようだった。
「アンティークの店もあるよ。それともデパートへ行く?」
キョロキョロと辺りを見回しているわたしに、圭吾さんがきいた。
アンティークかぁ
「アンティークのお店を見て、それからデパート!」
「お望みのままに、お姫様」
圭吾さんが手を差し出し、わたしはその手を握った。
何軒かお店を見て回って、三回ほど兄妹に間違われた。
さすがの圭吾さんも苦笑して、
「僕達、似てるかな?」
って、お店の鏡を覗き込んだ。
「彩名と志鶴なら分かるけど。僕は典型的な羽竜の顔だと思っていた」
「わたしだってママには似てないって思ってた」
もしもそんな日があるなら、今日はそれ。
空はすっきりと晴れ渡っていて、この季節にしては、気温が高い穏やかな日だ。
お昼直前に病院に着いて、圭吾さんは傷口の診察と消毒をしてもらった。
お医者様に問題なしのお墨付きを貰った後、わたしを乗せた車は高速道路を通り、県庁のある大きな街に着いた。
ここまで家から離れると、街はクリスマス一色で飾られていて、お伽の国のようだった。
「アンティークの店もあるよ。それともデパートへ行く?」
キョロキョロと辺りを見回しているわたしに、圭吾さんがきいた。
アンティークかぁ
「アンティークのお店を見て、それからデパート!」
「お望みのままに、お姫様」
圭吾さんが手を差し出し、わたしはその手を握った。
何軒かお店を見て回って、三回ほど兄妹に間違われた。
さすがの圭吾さんも苦笑して、
「僕達、似てるかな?」
って、お店の鏡を覗き込んだ。
「彩名と志鶴なら分かるけど。僕は典型的な羽竜の顔だと思っていた」
「わたしだってママには似てないって思ってた」