龍とわたしと裏庭で④【クリスマス編】
「やけに嬉しそうだね」

圭吾さんが不満そうに言う。


「だって、血が繋がってるって事だもの」


「他人から見たらどこか似ているんだろうね。でも、僕を兄貴だと思わないでくれよ」

圭吾さんは念を押すように言った。


正直言うと、いつだって『お兄さんみたい』って思ってるんだけど、それを言うと後が怖いからうなずいた。


「圭吾さんはわたしを妹みたいに感じる事はないの?」


「全くないとは言えないかな……可愛くて、大切にしたいと思う時とか。でもそれ以上に、僕は君にキスしたいし、抱きたい。『妹』じゃまずいだろ?」

圭吾さんが微笑む。


「ええと……たぶん」

わたしは真っ赤になってうつむいた。


「曖昧だね」


「圭吾さん、最近わたしに少しずつプレッシャーかけてない?」


「僕が? いいや」


騙されないわ

絶対にわざと、わたしがドキッとするようなコト言ってる


「君を口説くのが楽しいだけだよ」


危うくつまずきそうになった。

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