愛のない世界なんてない


一君は困っている様子で冷や汗をかいていた。

「私と付き合ってくれるかしら?」

最悪だ、この人。
どんだけもてあそんでるんだ。

「…す、いません…僕、心に決めた人がいるから」

「やっぱり一はいっつもそう言ってさぁ~もう」

芽衣ちゃんは頬を膨らます。

小悪魔だなぁ。
「圭…。あと最後に言っておきたいことがあって…」

そう言った芽衣ちゃんは寂しそうで楽しそうな目をした。

「何?」

「うん…当分圭や一、裕二に尋斗、咲とは会えない職業なんだけど…」

私が入ってない(笑)


…でも当分会えない仕事?

…水商売?それとも風俗?



「寮に住むの」

「…それだけ?」

「それだけじゃなくて」



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