愛のない世界なんてない


「本当だから」

裕次は咲にチュウをしようとした。

「や…っだ!」



べチンッッッ!!




「痛っ…」

頬を抑える裕次。

張り手された。

「やめてよ…そんなので済むと思ってんの?本当は浮気してるくせに…」
咲は泣き目になる。

「してねーよ」
裕次は俯く。

「お前が好きだから浮気なんてしない」



「…何、今まで散々冷たかったじゃん…」

「……」
何も言えなくなった裕次。

「何も言えないじゃん…やっぱ嘘なんでしょ?」

「嘘なんかじゃない」

「裕次は浮気者じゃん」
咲は涙を流した。

「今まで…どれだけ私が裕次の事…好きだったか…知らないでしょ…」

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