愛のない世界なんてない
「熱…ないよね?」
咲は裕次の額に手をやる。
「大丈夫?」
「大丈夫だから…っ」
俯く俺は昔からこうだ。
もうすぐ小学校も卒業。
初めて好きになった人を家に連れてきたい。
そう思った。
…その前に。
咲に告白しよう。
*
「咲ちゃん…ちょっと…いいかな」
俺は理科室に呼んだ。
「なぁに?話って」
「……………………………付き合ってほしいんだけど…」
顔が赤くなる。
「え?どこに?」
「違う!俺お前が好きだから…っ」
もう当たってくだけろ
「…手………痛いよ」
「え…」
よく見れば俺は咲の腕を掴んで至近距離だった。
「顔も…近い…ハズいよ…」
「ごめん…」