愛のない世界なんてない
夏休み突入。
出掛けていた。
「あ……」
ばったり咲に会った。
「裕次君…」
「………好き…」
我慢ができなかった。
「やっぱ俺、お前が………好き………」
「…………」
小学校の時のように二人は顔を赤くする。
「我慢できない…」
小学校と同じ、至近距離。
それを引こうとした咲。
「なんで私なの?」
「好きって言い切れないほど好きだから!」
「…え」
咲はもう顔を隠す。
「付き合ってほしい…」
「どうしよう…………嫌われてるかと思ったのに」
「お前なんか誰が嫌うか!」
「…ありがとう…………私も好きかもね」
咲はそう言ってくれた。
「かも?」
「付き合ってみよっか、一回だけ」
「ありがと………」
めちゃくちゃな俺の告白が咲の心に突き刺さったのだ。