愛のない世界なんてない


「怖い…」

「怖くない」

「圭が怖いよ」
涙がでそうだった。






ピーンポーン。

「誰?…ってさっきの子?」

画面には女の子が一人。
「来るの早くて怖いなぁ。尋斗ぉ来たよ」

すると階段をドタバタする音。

「来るの早すぎ~!!」

そう言って尋斗はそのこを出迎えた。

「入っていいよ」
そう尋斗が言ったらその女の子は遠慮がちに家をあがった。

「お邪魔します…」
澄んだ綺麗な声。

「おぉ。来た」

女の子を適当な椅子に座らせた。

「どうも…」
照れ屋さん。

「そのこの名前なんて言うの?」
尋斗にたずねた。


「………え?………分からん…」
…可愛いな尋斗。

「名前なんて言うの?」

「あ…えっ、と…瀧口花芽です…」

ん?
私と同じ名前だ。

「よろしく。私は東雲華芽」

「ども…」
ぺこりとさげる小さい頭。


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