愛のない世界なんてない
「僕は尋斗だけど分かるよね?」
「……はいっ」
顔赤いよ。
「俺は草野圭♪」
ぺこっと一礼。
「可愛い…」
私は見取れとしまってた。
あのタレ目といえ、あの二つ結び、小柄な体。
可愛いよ。
「そんなこと…っっないですっ」
また顔が赤い。
「あるある」
私はニコッと笑った。
「二人とも尋斗の部屋でなんか喋ってれば?」
圭がそう言った。
「じゃあ部屋いこっ」
またぺこっと花芽ちゃんは一礼した。
「華ちゃん、ごめん」
「何?」
「オオカミになっちゃう」