愛のない世界なんてない


「変態…」

「分かってる」

「芽衣ちゃんと…より戻してくれないかな…」

「今はお前が好き」


「やめてよ」
私は耳栓をした。

「バカ…」
他に何も言えることがなかった。

「バカでいいよ」

「もうこっちこないで」


私は裕次の部屋に入った。



「お邪魔するわよ」

「…あ?」

裕次はベッドにいた。

「何入ってきてんだよ!出てけ!」
裕次、顔赤い。

「いいじゃない別に。あんた起きなさいよ」

私は裕次の布団をめくった。

「ばか!」

布団の中にいたのは咲ちゃんだった。
裕次の服を着てぐっすり寝ている。
「見んじゃねーって言っただろっ」

「仕方ないじゃない!そんなの知らないし」

「つうか出てけ!」


私は裕次に背中を押されて部屋を出た。


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