愛のない世界なんてない


「誰かもう一人ついてきて!」
美知子さんは車の鍵を出した。

「俺が行く」


裕次が言った。

そして病院に行く。










**









「レントゲン撮りましょう」

病院に行ったらそう言われた。

「じゃあこっち来て」

自力で向かった。





「じゃあ撮るよ…最初ここ」

足を撮った。
次は胴体。
その次は手首。


まぶしい光と共に撮られながら結果が出た。



「まず足ですが…」

一枚のレントゲン写真を見た。
「骨が折れてますから、あとで包帯巻きますね…あと胴体は異常なし…手首ですけども……」

二枚出された。

「両手共ねんざですね。これじゃあ松葉杖がつけないから車椅子で…」

「分かりました」

私は裕次におんぶしてもらって車に戻った。


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