愛のない世界なんてない
「誰かもう一人ついてきて!」
美知子さんは車の鍵を出した。
「俺が行く」
裕次が言った。
そして病院に行く。
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「レントゲン撮りましょう」
病院に行ったらそう言われた。
「じゃあこっち来て」
自力で向かった。
「じゃあ撮るよ…最初ここ」
足を撮った。
次は胴体。
その次は手首。
まぶしい光と共に撮られながら結果が出た。
「まず足ですが…」
一枚のレントゲン写真を見た。
「骨が折れてますから、あとで包帯巻きますね…あと胴体は異常なし…手首ですけども……」
二枚出された。
「両手共ねんざですね。これじゃあ松葉杖がつけないから車椅子で…」
「分かりました」
私は裕次におんぶしてもらって車に戻った。