愛のない世界なんてない

「分かった!」

「うん。ありがと」

「ねぇ華ちゃん」

「?」

「裕次とか好きにならないでね」
圭はそれだけ言った。
疑問系だけど…。

「うん」

「今日の10時に帰るって。それで電車だってさ」
出て行く前にそう言った。

「分かった」
私は笑いかけた。

「あっ!待って」
私が二言言ったら圭は振り向いた。

「おんぶして下まで連れてって」

「…うん!仕方ないなぁはい」
圭は笑った。

「おいしょっと」

おんぶされたら圭の背中は温かった。



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