愛のない世界なんてない

「………は」

ため息をしようとしたら何かがここに入ってきた。





「お姉ちゃーん!!」
え?誰誰?


「………騒がれちゃあ困るから僕行ってくる」

そう言って圭は玄関まで走っていった。
誰が来たんだろう。
家を間違えたら恥だね。




「あ!」
圭が声をあげた。

「……………圭?どうかした?」

私も玄関まで向かった。


「…………あれ?」
咲ちゃん?
いや、裕次の部屋にいるし……。

「萌ちゃん、?」
疑問系に言う圭。
つか萌……?

「あ、こんにちはっ…いきなりごめんなさいっ」
礼儀が正しそうな子。
三つ編みをして咲ちゃんにそっくり。

「萌ちゃん大きくなったね!!今何歳?」
圭は萌という子の頭を撫でる。

「えっと……12歳……」

「すごい大きくなったじゃん!!小6?」

「うん」
ニコッと笑う萌ちゃんは咲ちゃんに似ていた。

「彼氏はできた?」

「え………っ」
顔が赤くなる萌ちゃん。
うん、姉妹とはいえ似てる。

「できたんだ!!」

「………できませんよ……」
俯いた。
あらま~。


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