愛のない世界なんてない
私は階段を降りた。
「それじゃあ、帰る」
玄関に来た。
萌ちゃんはすぐ帰ったみたいだ。
「うん、じゃあ……また今度ね」
「……………うん」
なんかふと思ったけど優ちゃん、圭の事が好きそうな………?
「……………優ちゃん達帰ったね」
圭と私はリビングに来た。
「分かる?」
「何が?」
圭は遠くを見つめるように言った。
「優ちゃん……あれだねぇ。妹想い」
………あんな怖かったけど……?
「妹がいなくなってほしくないんだよ」
確かにそんなようなことは……分からない事はないかも。
「いいなぁ………妹かお姉ちゃん欲しい」
「………ぷっ」
私は笑った。
「何??」
気になったように顔を覗く圭。
「本当に女好きだね(笑)」
「だって咲ちゃんとか萌ちゃんとか優ちゃんとかそれぞれ性格が違う姉妹っていいじゃん……」