愛のない世界なんてない
「北川恵です。趣味は編み物。久しぶり」
恵かぁ…すごい大人しかったなあ…。
次は次は?
「宮迫聖です。久しぶり」
「宮迫君…趣味」
私がそう言うと宮迫はあ、そうだっと目を細目にしながら照れながら笑った。
「趣味は、色々!」
色々!?
「色々って何よ~」
誰かが甘えた声で言いながら宮迫を叩いた。
「本当趣味色々だから…」
ははっとしたりケロッとする宮迫。
「んもぅ~可愛い~」
「えー」
宮迫が引いてたのはあの笹木美佳子。
どうやら好きっぽそう。
「次は?誰?」
宮迫の次は……私!?
そんなっ!
緊張がして心臓が高鳴る。
「し、東雲華芽っ!久しぶりっ」
あ。なんか私まで宮迫みたいにボケちゃった。
「東雲~人の事言えないじゃん?」
宮迫が指を指しながら笑った。
「ご、ごめん……しゅ、しゅむ…っ趣味は……」

思わず噛んでしまった。
皆に笑われる。
「えと…まんび……っえと……」
危ない。
万引きと言うところだった。
皆に変な目で見られた。
「ま、ま、ま、ま……」
「?」
宮迫が目を大きくさせる。
「ま、ま、ま、まぁ~……うぅ……」
私は混乱する。
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