愛のない世界なんてない
居場所
「ただいま」
誰もいないはずの家にただいまと言い、綺麗になった部屋に声が響く。
「おかえり」
居ないはずなのに誰かの聞き覚えのある声。
私は急いでリビングまで行った。
「華ちゃん家綺麗になったね」
「なんであんたがいんのよ」
圭がいた。
「ちょっと大事な話があって」
真剣な目つきになる圭。
ドキッ
胸に打たれたこの音は……何?
「やっぱり俺………最初見たときから華ちゃんの事気になってて…」
恥ずかしそうに髪を掻く。
「無理って言われたけど段々惹かれてくる」
圭の真剣な目つきに胸がドキドキする。
「え…………」
「返事はいい。もう一つ言いたいことがあるんだ」
「何?」
「俺、重い病気かもしれないって」
俯く圭。
私は頭が真っ白になった。