愛のない世界なんてない
「圭……………」
「華ちゃん…………」
大分疲れた顔をしている圭。
泣きたい。
大泣きしたい。
「大丈夫だよ、俺生きるから」
生きるってどんなことなのか………分かるの?
「華ちゃんと結婚するために………俺は絶対生きる」
目が輝いて見えた。
圭との思い出が頭の引き出しからバァッと溢れ出す。
「うん…………絶対ね」
私は圭の手を握った。
すると圭は笑ってくれた。
「華ちゃん、俺はいつでも華ちゃんの味方だから、俺が居なくても強く生きてね」
「うん……………」
「約束」
小指を出す圭。
「圭…………」
私と圭は小指を繋いだ。
「……………また明日来る………ね」
もう泣きそうだった。
実際泣き目だったよね。
私は夕暮れの街を歩く。