愛のない世界なんてない
それで楽しく話し合う。
騒ぎながらも話し合う。
「はい、ビールとはんぺんとたまごとちくわとこんにゃく」
「やったー乾杯!」
宮迫は満面な笑みを見せて乾杯してくる。
「はい乾杯」
と言って透明のグラス同士カツンと音をたてる。
それでグビグビと音をたてながら喉を潤す。
「いやーうまいね」
私は顔がちょっと顔が赤くなりながら言った。
実は私は酒に弱い。
だが宮迫はまだ全然赤くなかった。
「酔うの早いな~東雲」
「え!?あらし酔ってらいから!」
「酔ってるじゃん!」
宮迫は笑った。
私もそれを見て笑った。
赤くなかった頬を触ると熱いものだなぁ。
「あとさぁ…東雲」
少し宮迫も頬を赤くしていた。
ビールももう五本近く飲んでいる。
私はまだ三本くらい。
光るグラスをずっと見ていた。
「朝言おうとしたことだけど…」
「朝?」
私は宮迫の目をフッと見た。

「す、」
「酢ぅ?」
私は宮迫に顔を近づける。
「うん……ってかじゃなくて」

宮迫は酔ってるのか分からない。
でも少しボケている。
「すーすー」
「ハッキリしなさいよぉ」
私がキッと宮迫を見る。
「あのね、好きなの」
「何が?」
「東雲が」
「そーなんだー」
私は酔ってて何が何だか分からなかった。
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