愛のない世界なんてない
それから気持ち良い朝がきた。
コーコケキョ、とうぐいすの鳴き声が聞こえる。
「おはよう」
小部屋に入ってきたのは圭だった。
「んー………」
私はなかなか起きられない。
「おーい」
圭が私の顔を叩いた。
「痛ッ」
一気に起き上がった。
「なんで叩いたのよー!……ってアレ?」
私は時計を見たら、まだ9時だった。
「まだ9時じゃん」
「もう9時だよ、早く起きて、迷惑だよ」
「あ、そうか。ここ圭の家だった」
私はゆっくりベッドから下りた。
「今日の8時に行くって」
「今日なんだ」
私は階段を下りながら言った。
それで圭に着いていく。
着いた場所はやっぱり超綺麗なリビング。
もう鮮やかな朝食が置いてあった。
「あら、おはよう」
昨日のようにお母様は綺麗に笑った。
「おはようございます」
私は一回頭をペコリと下げた。
そして椅子に座っていただきますをした。
圭もお母様もいただきますをしてゆっくり朝食をとった。
「このトーストちょっと違う!美味い」
「違うパン使ってるんだよ」
圭は常識のように言った。
私はほぅ、と頷いた。
「美味しいって言われたから嬉しいわ」
お母様はそう言った。
「えへへ」
私は笑った。
それから圭とお母様と喋って食べて喋って食べてごちそうさまをした。
30分かかっていた。
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