愛のない世界なんてない

「超怒りんぼうじゃん!叩くなよっ」

「黙れガキ!」
「万引き中年ババア!」
「うるさい!この"ピ――"ガキ野郎!」
"ピ――"は禁止用語です。
「何ピ――とか言ってるんだよ」
むかつくわ。
「もう家連れてかないから」
私はツーンとした。
「でも…目の前にある家って華ちゃん家だよな…?」


…………は?

もう私ん家?




…………あ゛ぁ゛!
確かに私ん家だ!窓から万引きしたパンが三、四個でてる!

「なっなんで分かったの?!」
私は変な汗をかいた。
「え、だって門の所に東雲って書いてある」
あ そっちか。なんだ、心配して損した。
「しかもこっちから見ると、今日華ちゃんが万引きしたパンが屋根に10個くらいのってる」
終わった。
苗字だけで私ん家と分かってほしかった。
「つか、圏外みたいな所じゃないじゃん。普通に東京タワーとかビルとかマンション見えちゃうし」

「あれ嘘って言ったでしょ」
「しかも外見綺麗じゃん」
流された。
「外見…はね。」
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