愛のない世界なんてない
「…うん…」
「祐次、呼んでくるよ!」
美知子さんとお母様がいない代わりに私が祐次を呼びに行った。
「…祐次ぃ!咲ちゃん、待ってるよぉ!」
そう呼んだ。
祐次はベットの中でゴソゴソしている。
「祐次っ」
ベットの近くに来た。
「っなんだよ」
布団から出てきた祐次は汗をかいていた。
男って寝るときよくパンツ一丁で寝る人もいるよね。
「早く服着ろ」
「分かってるよ」
そう言って祐次はマイペースに制服に着替える。
すごくめんどくさそうだ。
「なぁ…」
「何よ」
「もう咲に言った?」
「うん…」
私は頷いた。
「…はぁ…」
祐次はため息をついた。
きっと今日の二人は気まずくなりそうだ。