愛のない世界なんてない
好きって気持ち
「わりぃ…遅れた」
「………」
咲ちゃんは俯いたまんまだった。
「華ちゃん…」
「はい?」
圭がいた。
「あの二人、大丈夫かな」
心配そうな目で見つていた圭。
「心配だよ…私は」
「実はさ」
圭が真剣な瞳をした。
いつものようにへらへらしたような声じゃなく、ちゃんとしている声。
「何?」
「祐次の電話帳………」
そこまで言ったら止まる。
「…やっぱ言ーわない♪」
「…え!?はぁ!?」
「教えてほしいなら…」
「うん…」
「…やっぱこれも言ーわない♪」
「何よもう!」