潮騒
あたしの問いに、彼は舌打ちを混じらせながらも、
「俺はただの情報屋だ。」
「…情報屋?」
「クライアントから依頼を受けて、調べた情報を渡す。」
「………」
「まぁ、平たく言えば、探偵みてぇなもんだけどな。
頼まれりゃあ、それこそほくろの数まで数えるぜ。」
それにしては、随分と物騒なものを持っているじゃない。
探偵みたいなものだなんて彼は言っているけれど、でもどれほど黒い色に染まっているかくらいは見抜けてしまう。
「もう質問タイムは終わりで良いだろ?」
言って、眉間にさらに強く押し付けられた、金属塊。
あたしは目を逸らした。
「多分、北浜社長の娘さんの誕生日とか、そういうのだと思うよ。」
「北浜に娘なんていねぇはずだ。」
「15年前に愛人に産ませた子供で、認知もしてないし、今は関西に住んでるらしいけど、息子達なんかよりずっと可愛がってるって、社長が前に言ってたの。」
「………」
「あたしにだけ話してくれたことだし、今まで一切他言したことなんてなかった、って。」
あたしの言葉に、彼は考え込むように銃を降ろした。
これで満足なのだろうか。
「ねぇ、北浜社長はどうなるの?」
「俺はただの情報屋だ。」
「…情報屋?」
「クライアントから依頼を受けて、調べた情報を渡す。」
「………」
「まぁ、平たく言えば、探偵みてぇなもんだけどな。
頼まれりゃあ、それこそほくろの数まで数えるぜ。」
それにしては、随分と物騒なものを持っているじゃない。
探偵みたいなものだなんて彼は言っているけれど、でもどれほど黒い色に染まっているかくらいは見抜けてしまう。
「もう質問タイムは終わりで良いだろ?」
言って、眉間にさらに強く押し付けられた、金属塊。
あたしは目を逸らした。
「多分、北浜社長の娘さんの誕生日とか、そういうのだと思うよ。」
「北浜に娘なんていねぇはずだ。」
「15年前に愛人に産ませた子供で、認知もしてないし、今は関西に住んでるらしいけど、息子達なんかよりずっと可愛がってるって、社長が前に言ってたの。」
「………」
「あたしにだけ話してくれたことだし、今まで一切他言したことなんてなかった、って。」
あたしの言葉に、彼は考え込むように銃を降ろした。
これで満足なのだろうか。
「ねぇ、北浜社長はどうなるの?」