潮騒
求めるもの
休日の夕食時、ヤツは例の如く、予告もなしに我が家へとやってきた。
で、ビール持参だからと言いながら、勝手知ったるように部屋に押し入って来る。
本当に、迷惑極まりない男だ。
「レンの分のご飯なんかないんですけど。」
なんて言いながらも、適当な物を作り足しているあたしは、随分とこのいとこに甘いのかもしれない。
初詣で偶然会ったあの日以来だった。
「で、何?」
キッチンで背中を向けたままのあたしに彼は、
「別に仲直りってわけでもないけどさ、何かこういうのって俺ららしくないし。」
「………」
「つか、もうとりあえず面倒くせぇから飲もうぜー、みたいな?」
一瞥すると、レンは咥え煙草で早速ビールの缶を開けていた。
何だかんだ言ったって、最後はいつも折れてくれる。
あたしは肩をすくめ、つまみになりそうな物をテーブルへと並べた。
その瞬間に、彼は顔をぱあっと明るくさせ、
「やーっぱルカちんの飯が一番だよねぇ。」
「ホントにそう思ってんだったら、棒読みで言わないでくれます?」
けれど、少しばかり笑ってしまった。
レンと改めて乾杯をしてみればもう、あの日のわだかまりもどこへやら。
さすがは長年一緒にいるいとこなんだと思い知らされる。
で、ビール持参だからと言いながら、勝手知ったるように部屋に押し入って来る。
本当に、迷惑極まりない男だ。
「レンの分のご飯なんかないんですけど。」
なんて言いながらも、適当な物を作り足しているあたしは、随分とこのいとこに甘いのかもしれない。
初詣で偶然会ったあの日以来だった。
「で、何?」
キッチンで背中を向けたままのあたしに彼は、
「別に仲直りってわけでもないけどさ、何かこういうのって俺ららしくないし。」
「………」
「つか、もうとりあえず面倒くせぇから飲もうぜー、みたいな?」
一瞥すると、レンは咥え煙草で早速ビールの缶を開けていた。
何だかんだ言ったって、最後はいつも折れてくれる。
あたしは肩をすくめ、つまみになりそうな物をテーブルへと並べた。
その瞬間に、彼は顔をぱあっと明るくさせ、
「やーっぱルカちんの飯が一番だよねぇ。」
「ホントにそう思ってんだったら、棒読みで言わないでくれます?」
けれど、少しばかり笑ってしまった。
レンと改めて乾杯をしてみればもう、あの日のわだかまりもどこへやら。
さすがは長年一緒にいるいとこなんだと思い知らされる。