潮騒
レクイエム
目に映る景色はいつも、混沌とした色に滲んでいた。
こんな世界だからなのか、それとも単に、あたしの瞳が曇っているだけなのか。
とにかく表現するならば、黒でも白でもなく、グレーといった感じだろう。
例えば天井で煌びやかに輝くシャンデリアさえ、綺麗だなんて思えない。
きっとあたしは欠陥品だ。
まぁ、別に今にわかったことでもないから良いのだけれど、でも毎日が虚しかった。
それはまるで、本来人間に備わっているものが欠落しているような、何かが削ぎ落ちてしまっているような感覚。
空っぽなのだ、あたしは。
だからどんなに外見を華やかに飾り立てようとも、所詮は作り物でしかない。
「今月もナンバーワンはルカさんでーす!」
店長の声と共に立ち上がると、女の子達からの拍手が沸く。
受け取った封筒の中身は、数えるのも面倒になるくらいの札の束。
あたしは胡散臭い笑顔だけを作って返す。
「みなさんも、ルカさんを追い越すことを目標に頑張ってくださいね。」
本当に、馬鹿らしい。
ファンタジーと名付けられた幻想の城で、この一年、あたしはナンバーワンの座を保持していた。
別に人気がナンバーワンって意味じゃなくて、単に人より売り上げを上げている、というだけのことだが。
プライドなんてものはなく、とにかく稼げるのなら何だって良い。
キャバクラ嬢――それがあたしの仕事。
こんな世界だからなのか、それとも単に、あたしの瞳が曇っているだけなのか。
とにかく表現するならば、黒でも白でもなく、グレーといった感じだろう。
例えば天井で煌びやかに輝くシャンデリアさえ、綺麗だなんて思えない。
きっとあたしは欠陥品だ。
まぁ、別に今にわかったことでもないから良いのだけれど、でも毎日が虚しかった。
それはまるで、本来人間に備わっているものが欠落しているような、何かが削ぎ落ちてしまっているような感覚。
空っぽなのだ、あたしは。
だからどんなに外見を華やかに飾り立てようとも、所詮は作り物でしかない。
「今月もナンバーワンはルカさんでーす!」
店長の声と共に立ち上がると、女の子達からの拍手が沸く。
受け取った封筒の中身は、数えるのも面倒になるくらいの札の束。
あたしは胡散臭い笑顔だけを作って返す。
「みなさんも、ルカさんを追い越すことを目標に頑張ってくださいね。」
本当に、馬鹿らしい。
ファンタジーと名付けられた幻想の城で、この一年、あたしはナンバーワンの座を保持していた。
別に人気がナンバーワンって意味じゃなくて、単に人より売り上げを上げている、というだけのことだが。
プライドなんてものはなく、とにかく稼げるのなら何だって良い。
キャバクラ嬢――それがあたしの仕事。