潮騒
「本当にひとりで大丈夫なのか?」


「…うん。」


「じゃあ、何かあったらすぐ連絡しろよ?」


こくりと頷き、あたしは車を降りる。


空はいつの間にかどんよりとした闇の色が広がっていた。


美雪から先ほど入ったメールによると、レンはもう処置を終え、病室に移されたらしい。


あたしは部屋番号を辿って病院内を歩いた。


4階でエレベーターを降りた先に、ぽつんと見える人の影。



「…ルカ、さんっ…」


涙目の美雪があたしに気付き、顔を上げた。


急いで駆け寄り、その体を揺する。



「ねぇ、レンは?!」


けれど彼女はぐっと唇を噛み締めながら、



「…これ、見てください。」


差し出されたのは、一枚の封書。


宛て名も何もなく、中身を取り出すと、そこにはレンが書いた文字が並んでいた。




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 俺は罪を犯しました。


 こんなことで償えるとは

 思わないけど、 

 どうか一生許さないでくれ。


 死んで詫びるなんて

 卑怯でごめん。


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