潮騒
6歳の時に別れたっきりだ。
それからは、お母さんからかたくなに会うことを禁じられていた。
もちろん最初の数年はこっそりお父さんと連絡を取っていたあたしだが、それも彼の再婚によりなくなった。
だから大した記憶はない。
「そういう話がしたいなら、時間の無駄だからよしてよ。」
「………」
「お父さんも、今はあたしより大切なものがあるんだから、そっちのことだけ気にしてれば?」
今の家族仲は本当に良好なものだと、レンから聞いている。
何より、お父さんの存在なんて、今のあたしには必要なんてないから。
それなのに、彼は、
「じゃあ、単刀直入に言わせてもらうよ。」
ジュッ、と灰皿へとなじられた煙草。
お父さんは改めてあたしへと向き直った。
「ルカ、一緒に暮らさないか?」
「……は?」
「妻も娘もきっと話せばわかってくれるだろうし、お母さんさえ死んでしまったルカのことが心配なんだ。」
だからもう一度、新しい環境で家族に戻ろう。
彼の言葉の意味を理解し難くて、何よりそんなことは受け入れられるわけがない。
今更になって新しいと母親と、そしてカオルちゃんがいる家で。
「調子の良いこと言わないでよ!」
それからは、お母さんからかたくなに会うことを禁じられていた。
もちろん最初の数年はこっそりお父さんと連絡を取っていたあたしだが、それも彼の再婚によりなくなった。
だから大した記憶はない。
「そういう話がしたいなら、時間の無駄だからよしてよ。」
「………」
「お父さんも、今はあたしより大切なものがあるんだから、そっちのことだけ気にしてれば?」
今の家族仲は本当に良好なものだと、レンから聞いている。
何より、お父さんの存在なんて、今のあたしには必要なんてないから。
それなのに、彼は、
「じゃあ、単刀直入に言わせてもらうよ。」
ジュッ、と灰皿へとなじられた煙草。
お父さんは改めてあたしへと向き直った。
「ルカ、一緒に暮らさないか?」
「……は?」
「妻も娘もきっと話せばわかってくれるだろうし、お母さんさえ死んでしまったルカのことが心配なんだ。」
だからもう一度、新しい環境で家族に戻ろう。
彼の言葉の意味を理解し難くて、何よりそんなことは受け入れられるわけがない。
今更になって新しいと母親と、そしてカオルちゃんがいる家で。
「調子の良いこと言わないでよ!」