潮騒
「金はそこに置いて、3歩下がれ。」
「………」
「妙な動きをしたら、マサキじゃなくてルカちゃんを撃っちゃうからね。」
唇を噛み締め、マサキはその指示に従った。
チェンさんはふっと笑ってからアタッシュケースを取り、
「あと、餞別代わりにトカレフも貰っとくよ。」
じゃあ、元気でね。
その言葉を残し、彼は走り去る。
チェンさんの姿が見えなくなったのを確認したところで、マサキは「クソッ!」と漏らした。
そして彼は息を吐く。
「怪我してねぇか?」
「…え、あぁ、うん。」
手首の紐がほどかれ、体の力を抜くと改めて、事の重大さを思い知る。
彼はマサキを裏切った。
「まさかマジでアイツがこんなことするなんて思いもしなかったよ。」
「………」
「けど、許せた話じゃねぇ。」
ガッ、と壁を殴った彼は、
「この落とし前は、必ずつけさせねぇと。」
怖かった。
でもどうしてだか、悲しかった。
「ねぇ、何でこんなことになってしまったの?」
「………」
「妙な動きをしたら、マサキじゃなくてルカちゃんを撃っちゃうからね。」
唇を噛み締め、マサキはその指示に従った。
チェンさんはふっと笑ってからアタッシュケースを取り、
「あと、餞別代わりにトカレフも貰っとくよ。」
じゃあ、元気でね。
その言葉を残し、彼は走り去る。
チェンさんの姿が見えなくなったのを確認したところで、マサキは「クソッ!」と漏らした。
そして彼は息を吐く。
「怪我してねぇか?」
「…え、あぁ、うん。」
手首の紐がほどかれ、体の力を抜くと改めて、事の重大さを思い知る。
彼はマサキを裏切った。
「まさかマジでアイツがこんなことするなんて思いもしなかったよ。」
「………」
「けど、許せた話じゃねぇ。」
ガッ、と壁を殴った彼は、
「この落とし前は、必ずつけさせねぇと。」
怖かった。
でもどうしてだか、悲しかった。
「ねぇ、何でこんなことになってしまったの?」