潮騒
何度も同じ映像が繰り返され、速報を伝え続けていた。
あたしもマサキも、ただそれを茫然と眺めていることしか出来ず、事実に思考が及ばないまま。
ひとしきりの後、ヨウさんは重い口を開いた。
「俺は別に神も仏も信じてねぇタチだけどよ、もしもそういうのがいるんだとしたら、てめぇに殺人なんてさせねぇためにこういうことになったのかもな。」
「………」
「ガラじゃねぇ言い方すりゃあ、そこに置いてあるもんに守られたのかもしれねぇってことだ。」
そこに置いてあるもん――揃いのお守り。
けれど、親友を失い、さらにはその復讐心を向ける相手さえ失ってしまった彼の気持ちは、あたしなんかじゃ計り知れない。
マサキはやっぱり耳を塞ぎ、体を震わせて、
「あの野郎がこんなに簡単にくたばるわけねぇだろ!」
まるですべてを拒絶するかのようにそう叫ぶ。
自棄になったように取り乱す彼を、ヨウさんが抑え込む。
ハッとしたあたしは携帯を取り出した。
そこには知らない間にレンからのメールが届いていて、
【石橋が大変なことになってるぞ!】
【街がすげぇ騒ぎなんだよ!】
【テレビ観たら連絡くれ!】
何通ものそれを確認し、やっぱり現実なのかと手が震えた。
遅かれ早かれ知るのだとしても、今じゃなければ良かったのに。
刹那、マサキは部屋を飛び出した。
あたしもマサキも、ただそれを茫然と眺めていることしか出来ず、事実に思考が及ばないまま。
ひとしきりの後、ヨウさんは重い口を開いた。
「俺は別に神も仏も信じてねぇタチだけどよ、もしもそういうのがいるんだとしたら、てめぇに殺人なんてさせねぇためにこういうことになったのかもな。」
「………」
「ガラじゃねぇ言い方すりゃあ、そこに置いてあるもんに守られたのかもしれねぇってことだ。」
そこに置いてあるもん――揃いのお守り。
けれど、親友を失い、さらにはその復讐心を向ける相手さえ失ってしまった彼の気持ちは、あたしなんかじゃ計り知れない。
マサキはやっぱり耳を塞ぎ、体を震わせて、
「あの野郎がこんなに簡単にくたばるわけねぇだろ!」
まるですべてを拒絶するかのようにそう叫ぶ。
自棄になったように取り乱す彼を、ヨウさんが抑え込む。
ハッとしたあたしは携帯を取り出した。
そこには知らない間にレンからのメールが届いていて、
【石橋が大変なことになってるぞ!】
【街がすげぇ騒ぎなんだよ!】
【テレビ観たら連絡くれ!】
何通ものそれを確認し、やっぱり現実なのかと手が震えた。
遅かれ早かれ知るのだとしても、今じゃなければ良かったのに。
刹那、マサキは部屋を飛び出した。