潮騒
心のどこかでは、そうなる予感はあったのに。
なのに言葉にされると改めて、想像だけだったものが現実へと変わっていくから。
「俺のやってたことはただの犯罪だけど、でもそうなったのは全部親父の所為だってずっと自分に言い訳してた。」
「………」
「チェンが死んでからは、復讐するからって理由付けして正当化してた。」
けど、とマサキは言う。
「けどさ、もうそういうの全部リセットしなきゃいけねぇんだよ。」
「………」
「散々馬鹿やってきたこと全部を清算してからじゃなきゃ、俺はお前と一緒にはいられないから。」
淡々と、諭すように言葉は紡がれる。
それでもあたしは首を振った。
「…やだっ…」
「俺自身がそうしなきゃダメなんだ。」
「嫌だよ!」
今日の楽しかった分だけ、底深い奈落に突き落とされたような気分になる。
嫌だ、嫌だ、と繰り返しながら耳を塞ぐあたしにマサキは、
「今度はお前と生きたいからこそ決めたんだ。」
そんな風に言うなんて卑怯だよ。
決意した瞳で、また離れようとしないでよ。
「勝手に決めないでって言ったじゃない!」
なのに言葉にされると改めて、想像だけだったものが現実へと変わっていくから。
「俺のやってたことはただの犯罪だけど、でもそうなったのは全部親父の所為だってずっと自分に言い訳してた。」
「………」
「チェンが死んでからは、復讐するからって理由付けして正当化してた。」
けど、とマサキは言う。
「けどさ、もうそういうの全部リセットしなきゃいけねぇんだよ。」
「………」
「散々馬鹿やってきたこと全部を清算してからじゃなきゃ、俺はお前と一緒にはいられないから。」
淡々と、諭すように言葉は紡がれる。
それでもあたしは首を振った。
「…やだっ…」
「俺自身がそうしなきゃダメなんだ。」
「嫌だよ!」
今日の楽しかった分だけ、底深い奈落に突き落とされたような気分になる。
嫌だ、嫌だ、と繰り返しながら耳を塞ぐあたしにマサキは、
「今度はお前と生きたいからこそ決めたんだ。」
そんな風に言うなんて卑怯だよ。
決意した瞳で、また離れようとしないでよ。
「勝手に決めないでって言ったじゃない!」