潮騒
「つーか、うちの親の離婚が正式に決まってからさ、俺どっちの籍に入るか決めろって言われてたんだけど、そういうの面倒くさくて。」
「………」
「で、もう21だし、難しいこと考えたくねぇから、どっちの籍にも入らずに俺は俺で今まで通り、好きに生きていこうかと思って。」
「つまり、どういうこと?」
「つまり俺、実家出てまた住むとこ探さなきゃならなくなったわけで、じゃあついでにルカちんと一緒に暮らすのもアリだなぁ、みたいな。」
その場にしゃがみ込んで貝殻を拾いながら言ったレンは、
「あ、俺のお風呂覗かないでね。」
と、こちらを振り向き、相変わらず笑っていた。
本当のレンは、そんな風に言いながらも、両親と3人でもう一度暮らせる日を夢見ていたくせに。
それさえもう二度と叶わない。
「だってどうせお前、アイツのこと待つんだろ?」
「………」
「ついでだから俺も、好きな女が出来るまではそれに付き合ってやろうかと思ってさ。」
まったく、困ったものだ。
レンの言葉に笑いながらも、あたしは頷いた。
「そうだね、それも面白いのかも。」
寄せては返す波音が、騒ぎ立つ。
レンはあたしの答えに満足げな顔で立ち上がった。
「でももう静かに暮らしてぇもんだけどな。」
「………」
「で、もう21だし、難しいこと考えたくねぇから、どっちの籍にも入らずに俺は俺で今まで通り、好きに生きていこうかと思って。」
「つまり、どういうこと?」
「つまり俺、実家出てまた住むとこ探さなきゃならなくなったわけで、じゃあついでにルカちんと一緒に暮らすのもアリだなぁ、みたいな。」
その場にしゃがみ込んで貝殻を拾いながら言ったレンは、
「あ、俺のお風呂覗かないでね。」
と、こちらを振り向き、相変わらず笑っていた。
本当のレンは、そんな風に言いながらも、両親と3人でもう一度暮らせる日を夢見ていたくせに。
それさえもう二度と叶わない。
「だってどうせお前、アイツのこと待つんだろ?」
「………」
「ついでだから俺も、好きな女が出来るまではそれに付き合ってやろうかと思ってさ。」
まったく、困ったものだ。
レンの言葉に笑いながらも、あたしは頷いた。
「そうだね、それも面白いのかも。」
寄せては返す波音が、騒ぎ立つ。
レンはあたしの答えに満足げな顔で立ち上がった。
「でももう静かに暮らしてぇもんだけどな。」