潮騒
手繰り寄せ
今日は久しぶりにゆっくりと休日を過ごせた気がする。
特に誰かと会う約束は入れず、ひとりでショッピングをしたり、美容室でカラーをしてもらったり。
世の中で一番癒しを求めているのは、実は接客業の人間なのだと、どこかで聞いたことがある気がするが。
たまにはパーッとお金を使うのもアリなのかもな、なんて思いながら、帰宅した頃には夕方になっていた。
で、シチューを作った。
料理は好きでも嫌いでもないが、でも休みの日くらいはと、色々と遊び感覚で試してみたりもする。
まぁ、余れば勝手にやって来るレンが食べるし、だから冷凍しておけば良いだけのことだ。
一通り調理を終えたところで一服しようとテーブルに置いていた煙草を手に取ったが、運悪くそこに中身はなかった。
買い置きも切らしていて、あたしはため息混じりに肩を落としてしまう。
コンビニはマンションの斜向かい。
上着を羽織り、財布だけを手に部屋を出た。
寒々とした風が吹き抜けて、この時間帯はもう冬と言っても良いほど日暮れが早くなっていた。
急ぎ足でコンビニに入り、煙草と雑誌を適当に買ってレジを済ませ、店を出た時、
「あ!」
という声が頭上から響く。
顔を上げるとそこには、マサキがいた。
いや、彼は友人らしき男と一緒にいる、と言った方が正確だったかもしれないが。
「何、知り合い?」
サングラスの方の男があたし達を交互に見る。
特に誰かと会う約束は入れず、ひとりでショッピングをしたり、美容室でカラーをしてもらったり。
世の中で一番癒しを求めているのは、実は接客業の人間なのだと、どこかで聞いたことがある気がするが。
たまにはパーッとお金を使うのもアリなのかもな、なんて思いながら、帰宅した頃には夕方になっていた。
で、シチューを作った。
料理は好きでも嫌いでもないが、でも休みの日くらいはと、色々と遊び感覚で試してみたりもする。
まぁ、余れば勝手にやって来るレンが食べるし、だから冷凍しておけば良いだけのことだ。
一通り調理を終えたところで一服しようとテーブルに置いていた煙草を手に取ったが、運悪くそこに中身はなかった。
買い置きも切らしていて、あたしはため息混じりに肩を落としてしまう。
コンビニはマンションの斜向かい。
上着を羽織り、財布だけを手に部屋を出た。
寒々とした風が吹き抜けて、この時間帯はもう冬と言っても良いほど日暮れが早くなっていた。
急ぎ足でコンビニに入り、煙草と雑誌を適当に買ってレジを済ませ、店を出た時、
「あ!」
という声が頭上から響く。
顔を上げるとそこには、マサキがいた。
いや、彼は友人らしき男と一緒にいる、と言った方が正確だったかもしれないが。
「何、知り合い?」
サングラスの方の男があたし達を交互に見る。