潮騒
準備をして、家を出てから、ふたりでランチにしようという話をした。
で、レンの車の助手席に乗っていた時のこと。
裏道を走行中、赤信号で停車していると、目の前の横断歩道を横切った、女子中学生のグループ。
「…あっ…」
と、先に声を上げたのは、運転席の彼。
けれどすぐにあたしに気付き、途端にバツが悪そうな顔をする。
背筋を伝う、一筋の冷や汗。
嫌に長く感じる信号待ちのさ中、目の前を横断していた女子中学生のうちのひとりが、こちらを見て指を差した。
「あー、廉人くんだぁ!」
彼女は車へと駆け寄ってくる。
レンは困った様子だが、窓を開けた。
「久しぶりだね、カオルちゃん。」
カオルちゃん――あたしの腹違いの妹だ。
疎遠なままのお父さんの新しい家庭で育つ、現在中学一年生。
もちろん向こうはあたしのことなんて知っているはずもないが。
レンから聞いた話によると、お父さんはよく家族を連れて親戚の集まりに顔を出しているのだとか。
「今日はカノジョとデートなの?」
「いや、そんなんじゃないよ。」
と、誤魔化した彼の車の前に、カオルちゃんの友人達がわらわらと集まってきた。
「その人、誰?」
「えへへ、カオルの自慢のいとこのお兄ちゃんなの。」
で、レンの車の助手席に乗っていた時のこと。
裏道を走行中、赤信号で停車していると、目の前の横断歩道を横切った、女子中学生のグループ。
「…あっ…」
と、先に声を上げたのは、運転席の彼。
けれどすぐにあたしに気付き、途端にバツが悪そうな顔をする。
背筋を伝う、一筋の冷や汗。
嫌に長く感じる信号待ちのさ中、目の前を横断していた女子中学生のうちのひとりが、こちらを見て指を差した。
「あー、廉人くんだぁ!」
彼女は車へと駆け寄ってくる。
レンは困った様子だが、窓を開けた。
「久しぶりだね、カオルちゃん。」
カオルちゃん――あたしの腹違いの妹だ。
疎遠なままのお父さんの新しい家庭で育つ、現在中学一年生。
もちろん向こうはあたしのことなんて知っているはずもないが。
レンから聞いた話によると、お父さんはよく家族を連れて親戚の集まりに顔を出しているのだとか。
「今日はカノジョとデートなの?」
「いや、そんなんじゃないよ。」
と、誤魔化した彼の車の前に、カオルちゃんの友人達がわらわらと集まってきた。
「その人、誰?」
「えへへ、カオルの自慢のいとこのお兄ちゃんなの。」