人魚姫は籠の中で。
「待って下さい!僕もお供いたします」
そう言って、いつも俺に付いてくるのは俺の補助役兼付人のアイロ。
まぁ、たまに…小言を言ってうるさいが、かなり優秀な男だ。
「ですが、ここ二、三日ずっと荒れ模様で、昨日は大嵐でしたし…皆、外には出てないですよ。何があるんですかね?確かに、ほのかにいい香りが漂ってますが。」
「……」
そして、この男はよく喋る。
まぁ、俺は口数が少ない方だから丁度いいか。