人魚姫は籠の中で。
「人魚とは、噂通り美しい生き物だな。海界の末っ子王女は海界では珍しい、ブロンドの髪を持つ絶世の美女だとか?そういう噂が広がっていたな、アイロ?」
「はい。僕初めて人魚見ましたけど本当にお美しいですね!確か、ブロンドにスカイブルーの澄んだ瞳が魅力的だ、という噂でしたね」
目の前の男…魔王様は私をじっと見ながら、後ろにいるアイロに話かける。
そんな噂…地上に広がっていたなんて。
じゃあ、この人は私が噂の張本人だと分かっていて此処に連れてきたのだろうか。
いや、でも私の名前を聞いて確信したって感じだろう。