人魚姫は籠の中で。
そんな綺麗な彼をずっと見ていたくて、けれど、気恥ずかしくて。
「セナ…その瞳を他の奴には見せるなよ?」
「え?どうい…」
ヴィアンが言った言葉を聞き返そうと思い、発した言葉は最後まで言うことはできなかった。
目の前には、美しすぎるヴィアンの顔があって。
あまりにも近すぎる距離に、胸の鼓動が早すぎて、沸騰しそう。
どうすることもできなくて、ギュッと目を瞑った瞬間、
私の唇をペロリと舐めたヴィアンに、大げさすぎるほど肩をビクンと跳ね上がらせてしまった。