恋愛依存症
久しぶりにパパの夢を見た。

紀子はまだ小学生で一緒にバスに乗っていた。

黒のシャツに白のデニムのショートパンツにブーツを履いていた。


紀子はレースやリボンのついている女の子らしい服が好きだったが、

パパはよく紀子に

「男の子が欲しかった」

と洩らしていたので

髪をショートカットにし、

パパと出かける時は

出来るだけ男の子っぽい服を意識して着た。

それが小学生の女の子らしくなく、

大人びて映った。



バスから降りる時に子供料金を払ったら、

運転手に止められた。

「中学生だろ?」

「えっ?」


運転手はバカにしたように、ひょっとこのお面をかぶっていた。


ひょっとこだろうが何だろうが、紀子は男の人の怒った声が苦手だった。

『ドキッ』として、
どうしても萎縮してしまう…



「ちがいます」

という声が震えた。


パパが下で紀子を待っている。

《急がなきゃ…》

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