恋愛依存症
待たせてイライラさせたくない。


不機嫌そうに

「とろいな、全くママみたいな奴だ」

と言われるのが目に浮かぶ。


ひょっとこの運転手が立ち上がって

紀子の腕を引っ張った。


怖かった。

足が震えていた。

泣きそうになりながらも勢いよくその腕を振り払うと、

ひょっとこを睨み付けた。

紀子は駆け足でバスを降りた。



降りるとパパはもういかった。

周りを見渡したが

どこにもいなかった。


《運転手のせいだ。引き止めたから…》

引き止めたから…

分かってたのに…



引き止めたから……




目が覚めた。

携帯のアラームが鳴っていた。


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