恋愛依存症
紀子は亨の部屋でよく店屋物をとった。


その日も紀子は[sara]で朝まで飲んで帰ってきた。


亨はもう出かけていた。



まだ亨の温もりが残っている布団に紀子は潜り込んだ。


気持ちよかった…


亨の匂いがした…





涙が溢れ出てきた……。



別に何があった訳でもない。

いつもと同じように

他の男と遊んで帰ってきただけだ。

《取り合えずは、フツーに楽しめてたじゃん…》





目が覚めると午後をまわっていた。

まだ、酒が残っていた。



紀子は近所の蕎麦屋に電話をし
カツ丼と裏メニューのお粥をとって亨の帰りを待った。



亨が帰って来た。


カツ丼についていたお新香と、紀子が煎れたお茶を見て

「至れり尽くせりだなぁ。」

と凄く嬉しそうに言った。



その瞬間、

紀子はこんなに楽で優しい人となら、こんな私でもやっていけるかもしれない。

と亨との結婚に淡い期待を抱いた。




この日も空は青かったんだ…。
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