王子様の下僕





「佑樹、大丈夫?
今日は入学式なんだから
さすがに寝たらダメだよ」

私がそう言うと佑樹は固まっていた

「キミだれ?」

「っっ…」

いきなり言われた冷たい一言に
私の目に涙が溢れた

「俺は知らないやつに
名前を呼び捨てされたくないんだけど」

「…っっ、中学まであんなに
仲良しだったじゃない

そんなに私のことキライ?
もう佑樹なんて私も大キライ!!!」

泣きじゃくりながら私が言うと

「知らないやつにキライとか言われても…」

佑樹はいかにも困った様子で言うんだ

何年アンタの幼なじみ
やってると思ってるのよ

心の中でボヤいていると
佑樹ママが現れた





< 105 / 174 >

この作品をシェア

pagetop