王子様の下僕
このとき俺は無性に
愛美が欲しくなった
いや、前から欲しかったんだと思う
愛美が痩せて美少女になってくれて
素直に嬉しい気持ちと
あのままいてくれればよかったのに…
わがままな気持ちとが
俺の中でぶつかっていた
いつから俺は
こんな男になっていたんだろう
皮肉がましく自分を見つめた
いつの間にか
愛美とお袋の会話が聞こえないほど
回想に浸っていたようだ
気づいた時にはもう愛美はいなかった