王子様の下僕





「それでは愛美さん行きましょうか」

やっぱり嫌ですと心の中で呟いても届かず

「賢人くん、愛美を宜しくね
愛美、頑張っておいで…」

「では失礼します」

ママ酷いよ!!
いくら騙されているからって
実の娘を王子なんかに差し出すなんて

心の中で嘆いていると

「俺のことそんなに嫌い?」

王子が余裕のない顔で私を見てきた

しかしまぁモテる筈だなぁ

サラサラで真っ黒の髪

透き通った色白の肌

クリッとした目

鼻筋の通った高い鼻

薄い唇

こんなに近くで初めて見た





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