王子様の下僕





私が言うと王子は"確信犯だ"
と言わんばかりに
苦虫を噛み潰したような表情で

「ちょっと、外に出てくる」

そう言ってその場から立ち去った

必死に笑いを堪えていた私は
堪えられなくなって"クスクス"と笑いだした

あの完璧な王子がね
あんな顔するなんて思いもしなかった
…まぁ可愛いところもあってよかった

そう思いながら
掃除や洗濯などの家事を始めた

2時間ぐらいして気まずい顔をした王子が
家に帰ってきたけど

帰ってきてよかったと思って
これ以上は意地悪をしなかった





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