王子様の下僕





さっさブタ子の両親と
約束したばかりなのに

「…なんで家具がないの?」

「さっき、神川に頼んで
業者に運んでもらってた

言うの忘れてたから電話した
今から帰ってこい」

「…もういきなり何なのよぉ
運ぶんだったら一言ぐらい言ってよね」

「ごめん、悪かったから泣くなよ」

「…っっ……すごく不安だったんだから」

「ごめんって」

「許さないんだから」

ブタ子がそう言うのと同時に

"ガチャッ"
ドアを開けて後ろから抱きしめた

「だから泣くなって…」





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