Brute ―あいのうた、きみのうた―
最初は俺の瞳をまっすぐに見つめ返した。
放課後の皆が帰った教室で、隣の席に座った俺の瞳を。
帰ろうとしていた香波の隣の席まで行き、ブルータスの話をしていた時のことだ。
その一瞬の後に、目をしばたかせた。
更に一瞬の間をおいて顔中を真っ赤に染めた。
そして焦ったように声を上げた。
「えっ、…えっ?えっ?」
どうしてこう、驚いた顔も焦った顔も可愛いんだろう。
俺はといえば、初めてこんなことを言った緊張からか、凄まじい勢いで心臓が体中を叩いている。
しかしそれを向こうに感じさせないように振る舞いながら、彼女の反応を見ていた。
「つ、付き合う…って、わ、私、と…?
…瀬岡くん…が?」
香波は顔を真っ赤に染めたまま、自分の顔を指差して聞いてくる。
その慌てぶりが可愛くて可笑しくて、俺はつい息を漏らしながら答えた。
「この状況で、それ以外誰がいるんだよ。」
香波は、既に真っ赤な顔を更に赤い絵の具で塗り潰したように赤く染める。
香波の顔の赤さに上限はないのだろうか。
放課後の皆が帰った教室で、隣の席に座った俺の瞳を。
帰ろうとしていた香波の隣の席まで行き、ブルータスの話をしていた時のことだ。
その一瞬の後に、目をしばたかせた。
更に一瞬の間をおいて顔中を真っ赤に染めた。
そして焦ったように声を上げた。
「えっ、…えっ?えっ?」
どうしてこう、驚いた顔も焦った顔も可愛いんだろう。
俺はといえば、初めてこんなことを言った緊張からか、凄まじい勢いで心臓が体中を叩いている。
しかしそれを向こうに感じさせないように振る舞いながら、彼女の反応を見ていた。
「つ、付き合う…って、わ、私、と…?
…瀬岡くん…が?」
香波は顔を真っ赤に染めたまま、自分の顔を指差して聞いてくる。
その慌てぶりが可愛くて可笑しくて、俺はつい息を漏らしながら答えた。
「この状況で、それ以外誰がいるんだよ。」
香波は、既に真っ赤な顔を更に赤い絵の具で塗り潰したように赤く染める。
香波の顔の赤さに上限はないのだろうか。