Brute ―あいのうた、きみのうた―

perdendosi

高校を卒業し、別々の大学に進んでからは、香波との付き合い方も今まで通り、とはいかなかった。

平日はそれぞれの学校で、それぞれ授業を受けなくてはならないからだ。


それでも、相談しあってお互いの時間割を組んだ。
空き時間がなるべく同じになるように。


それから俺はバイトを始めた。
一番の理由はもちろん、デート資金作り。

バイト先は、香波の大学の近くのCDショップだ。


香波もバイトを始めたが、さすがに同じところ、とはいかなかった。

恋人同士で同じバイト先ってなんか恥ずかしい、というのが俺達の総意だった。


とは言っても、結局俺のバイト先とも、大学ともそう離れていないカフェを選び、精を出していたようだ。


そうして俺達はごく順調に交際していた。



将来もきっと同じようにこうしていると思っていた。
それはもはや想像ではなく、事実であるかのように疑いもしなかった。


しかし、ズレは少しずつ生じていた。
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