Brute ―あいのうた、きみのうた―
『今日は、授業だけで終わり?
そっち寄ろうかと思うんだけど。』
授業が無く早番でバイトに入っていたある日、俺は香波にそんなメールを打ちながら、香波の大学に向かっていた。
俺が大学に着き、香波を探すと運よくすぐに見つかった。
隣には見知らぬ男がいたが。
香波はそいつと楽しそうに笑っている。
ふと香波がこちらを見遣ると、俺に気づいたらしく、楽しそうに笑ったまま手を振った。
すると男もこちらを一瞥し、俺と目が合うと小さく頭だけ下げた。
そして笑いながら香波に何やら話しかけている。
その笑った顔がどことなく、香波の好きなブルータスの梅里宏基に似ている、気がする。
その梅里宏基似の男は、へらへらと笑いながら香波に手を振りそこから去って行った。
それを笑って手を振りながら見届けた香波は、その笑顔のまま俺の方に寄ってきた。
「お疲れ様ー。」
その笑顔は、いつも通りの香波のものだ。
それに俺も出来る限り、いつも通りの顔で疑問を投げかける。
「今の、友達?」
そっち寄ろうかと思うんだけど。』
授業が無く早番でバイトに入っていたある日、俺は香波にそんなメールを打ちながら、香波の大学に向かっていた。
俺が大学に着き、香波を探すと運よくすぐに見つかった。
隣には見知らぬ男がいたが。
香波はそいつと楽しそうに笑っている。
ふと香波がこちらを見遣ると、俺に気づいたらしく、楽しそうに笑ったまま手を振った。
すると男もこちらを一瞥し、俺と目が合うと小さく頭だけ下げた。
そして笑いながら香波に何やら話しかけている。
その笑った顔がどことなく、香波の好きなブルータスの梅里宏基に似ている、気がする。
その梅里宏基似の男は、へらへらと笑いながら香波に手を振りそこから去って行った。
それを笑って手を振りながら見届けた香波は、その笑顔のまま俺の方に寄ってきた。
「お疲れ様ー。」
その笑顔は、いつも通りの香波のものだ。
それに俺も出来る限り、いつも通りの顔で疑問を投げかける。
「今の、友達?」