Brute ―あいのうた、きみのうた―
その時感じた落胆と焦りを思い起こすと、今でも苦々しく、そしてそんな自分の単純さに少し笑えるのだが。



3年になって、クラスが別れてしまうのではないかと心配したが、それに関しては杞憂に終わった。
やはり俺と彼女は縁があるらしく、無事クラスメイトという関係を保つことが出来たのだ。

俺はもちろんそれを利用し、機会があれば話しかけた。


しかし校外で彼女と会い、話をしたのは、3年になって半月ほど経った時の、あのCDショップが初めてだった。



「ブルータス、っていうんだって。」
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